Rain drops

雨粒が一滴、また一滴地上に降ってくる。
雫はどこからやって来るのだろう。
大海から蒸発してきたのか、誰も知らない小さな川からか?
人間の吐息からでもあるだろう。
天に集まり、地上に降り立ち、幾通りもの旅を経て天へ。
止むことのない循環の中で、雨は雫となってまた降りて来る・・・

 

 

[su_heading size=”18″]前世の遺恨[/su_heading]

その夜私は、床に突っ伏して詫びていた。
相手は40歳以上も年上の霊能者。

もしかしてコレは土下座??
そんな意識とは別に、私の声が語っていた。

「本当に申し訳なかった。そなたをたばかる衆を止める力が、私にはなかった」

言葉は私の口から飛び出しているけれど、
そしてもの凄い謝罪の感覚があるんだけど、
感覚が自分のものじゃないことは明らかだった。

彼女は棒立ちになり、涙を流していた。
と思う・・・。
何か聞こえたが、聞き取ることができないほど、細く小さな声だった。

どれくらい時間が経ったのか、全くわからなかった。
そのあと、どうやって眠ったのかも思い出すことができない。

[su_spoiler title=”過去世の遺恨が現象として現れた。その始まりとは・・・” style=”fancy”]そもそも私宛の手紙を無断で開封して、検閲まがいのことをしたのは彼女だった。

そのことを知り、激しく怒ったはずだったのに、 どうして私が土下座して彼女に詫びていたのか???[/su_spoiler]

翌日、4時半起床。
いつもの朝詣りに出かけた。
妙に身体のあちこちが痛み、頭の芯がジンジンしていた。
それでもじっくり思い出すなんてことができなくらい、一挙手一投足に集中した。

考えたとしても整理がつかない。
時系列を無視した出来事を無理矢理理解しようとしても、
意味付けしてしまって、より複雑になる。

私は考えることも整理することも完全に放棄した

その日最初に自分の声を耳にしたのは、祝詞をあげたときで、
音に全ての神経を集中していた。

普通に声を出すと、叫んでしまいそうだったから。

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背景となった前世・・・、時は14世紀ごろの朝鮮だ。
彼女も私も男性で、ともに武官だった。
親しい間柄で、家族ぐるみの付き合いをする仲だった。

時の政権争いの渦に飲まれ、派閥を追われたのが彼女。
追われるだけではなかった。
彼女(彼)の妻は毒殺され、娘二人は惨殺された。
息子は行方が分からないままだ。

私は知っていた。
派閥を率いる存在が、正義感に燃え、派閥になびいては来ない彼女(彼)を疎ましく思っているのを知っていた。

[su_spoiler title=”汚名を着せる策略・象徴する出来事・・・” style=”fancy”]表向きは友好的に振舞っていた派閥の長は、

彼女(彼)宛ての書簡を途中で差し替えていた。
反逆者としての汚名を着せて抹殺するためだ。[/su_spoiler]

時を経て、縁もゆかりも有る者同士が時間と空間を共有した。
似たような出来事を通して、事が展開したようだった。

18歳のあの夜の出来事・・・。
不可解で強烈な印象は、
過去世というものの存在を身体で知ったという他表現のしようがない。

その後、彼女も私もその夜の出来事について語ることはなかった。

[su_accordion][su_spoiler title=”レインドロップス・・・・” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]雨粒が一滴、また一滴地上に降ってくる。
雫はどこからやって来るのだろう。
大海から蒸発してきたのか、誰も知らない小さな川からか?
人間の吐息からでもあるだろう。
天に集まり、地上に降り立ち、幾通りもの旅を経て天へ。
止むことのない循環の中で、雨は雫となってまた降りて来る・・・[/su_spoiler][/su_accordion]

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[/su_tab] [su_tab title=”オリオンの恋” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]

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[su_heading size=”18″]オリオンの恋[/su_heading]

「キミは自分の才能をドブに捨てるつもりか?」

バブル期の六本木で彼は言った。
結婚することを告げた夜だった。

母と同じ歳の人と出逢って間もなく恋に落ちたボディコンの私。

妻子ある彼と同等でいたかった。

家族が欲しかった。

[su_spoiler title=”過去世の報われなかった恋” style=”fancy”]別の生で叶わなかった想いは、再び出逢うことで成就できるのだろうか・・・。[/su_spoiler]

彼のルックスは、全く私の好みのタイプではなかった。

運のいい人で、強い者に弱く、弱い者には自分の弱さやだらしなさを隠さない。
観察眼が鋭く、文才があったのでライターだった私は相当に鍛えられた。何度も原稿をけなされ、ダメ出しされる度、いつか見返してやると思っていた。

癇に障る言葉を撰び取る天才で、ドライブの途中で車を降りたこともあった。

何度喧嘩しても、私たちは惹かれ続けていた・・・。
ただ、そうだった。
一緒に居ること以外は考えられなかった。

私は彼の匂いが大好きだった。
油浮きした彼の顔に鼻をくっつけて、クンクン嗅ぐと、ふんわりした乳香の香りに包まれた。
その匂いがたまらなく好きだった。

我ながらバカだ!本当にヘンタイだと思いながらも、妙に安らいでしまうのだった。

彼は私の声が好きだと言っていた。
「ポエムを書け」と言うので、何作も書いた。
書いたらそれを「読んでくれないか」と。

ポエムなんて、小学生時代に・・・・、あ、思い出した!

頭の中で年がら年中喋る17種類くらいの声がやがて6種になった頃、
声が語っていたことを書き留めていたノート。
確か、5冊くらいになっていて・・・、アレはどこに行ったのだろう?

稼業が忙しく一緒に居る時間が少なかった母のことも書いていた。
夜、母が化粧を落とすときとお風呂に入る時、接点は毎日30分ほどしかなかった。

ある日、母からひどく叱られて、それ以降書かなくなった。

「小学生のくせに、イヤラシイ!」
母はそう言って、私のノートを破いた。
私はイヤラシイことを書いたつもりなどなかったけど、どうして書いたのか尋ねることなく、母はただ怒っていた。

入浴時の彼女の裸体を描写しつつ、5人の子どもを育てている母への畏怖の念や感謝を綴ったつもりだった。

 

ともかく、私は彼と居ると書いたり読んだり歌ったりすることが非常に多かった。

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背景となった前世・・・、オリオン時代。
その時期のオリオン星は非常に封建的だった。

彼は高位な家系の娘だった。
私は男性で賢者だった。

その時代、ある年齢になると女の子は賢者の元で秘儀を習得するため修行に出されるという慣わしがあり、それに従い高官の娘(彼)と賢者(私)は出逢った。

オリオン星の伝統である、音を使い波動を上げる秘儀を娘(彼)はどんどん上達させていった。
言葉ではなく、有音無音の波動を使って動かし、導き、移動する・・・。

それは歌であり、ささやきであり、祈りでもあった。

修行を見守り共に過ごすうちに、お互いが響き合いふたりは恋をした。
許されない、未来の無い恋だった。

やがて定められた期間は終わりを迎え、二人は再会を約束することなく別れた・・・。
決められた期間は、6年だった。

[su_spoiler title=”期限つき” style=”fancy”]別の生で再会し、また同じように6年間を共に過ごして思いを成就させた。それは日本でも人気の高いリサ・ロイヤルのチャネリングセッションを受けたときに知ることとなり、その後自分でも確認できたが、数々の転生を見るうちに実はまた別の転生にも続く関係性だったことが分かった。[/su_spoiler]

彼との時間は6年で終わったが、とても不思議に感じることがある。

どんな風に別れたのか、きっかけさえ思い出せないこと。
その後、あんなに好きだった彼の匂いを恋しいと思うことが一度もなかったこと。
離れてしまったあと、公式の場で会っても切なさを感じなかったこと。

嫌いにはならなかったが、よく知っている仲の良い人、になっていた。

世間的な、倫理的道徳的云々を考えたことはあまりなかったが、どこか安堵していた。
そんなある日、白昼夢として観たシーンと彼の言葉がシンクロした。

「キミが人生でずっと続けてきたことは何だ?」

別れが近づいていた頃、彼は何度となく私に問いかけていた。
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白昼夢で私が観たのは、目を焼かれている場面だった。

焼かれていたのは私で、焼くことを命じたのが彼だった。
そういえば、彼と過ごしていたとき、目の痛みを感じることがよくあった。
眼精疲労だとばかり思っていたあの痛みが、こんなことに繋がっていたとは・・・。

その転生で私は古の神々と繋がり暮らしていた男性だった。
神を組織化している教会と反目しており、教会に従わなかったために目を焼かれたのだった。

「お前が人生をかけてずっと続けてきたことは何だ!?」

司令官(彼)は私に怒鳴り、私は答えなかった・・・。
諦めていた。伝わるわけがないと、ただ、深く息を吐いただけだった。

 

キミが人生でずっと続けてきたことは何だ?
「えっ?」
「宗教だろう?自分の神との繋がりだろう?」

へっ??
ま、宗教って、そう見えちゃうのかもしれないんだけど・・・。
っていうか、どうしちゃった?

この時前世での繋がりに気づいていなかったので、
突然何を言い出すのかとビックリするだけだったが、
すごく心がざわつき始めたのだった。

今思えば、彼は昔一方的に糾弾したことを悔いていて、そのことを解消したかったのかもしれない。
ハッキリと
「あのときはごめんね」
などという会話は、全てにおいて必要だとはいえないのかもしれない。
彼の言葉で私の心はざわめいた。

それだけでよかったのかもしれない。

[/su_tab] [su_tab title=”魂の片割れ” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]

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[su_heading size=”18″]魂の片割れ[/su_heading]

「彼は魂の片割れではないよ」

そんな注意事項はすっかり忘れ去っていた。
大好きになってしまっていた。
彼でなければ嫌だ!と強く強く思っていたから。

二人が何度も転生しながら出会った情報も、火に油を注ぐものだった。

あるときは姉と弟(彼)、ある時は志を同じくして精霊と過ごした仲間などなど・・・。

つづく・・・
[su_spoiler title=”魂が肉体に宿るための儀式” style=”fancy”]魂は肉体に宿るために、一度他の魂と融合するらしい。
非常に似通った周波数を持つ二つの魂同士がお互いを呼び合うように、惹き合い承認して一つになる。
そうすることで肉体に宿るエントリーをする。[/su_spoiler]

[/su_tab] [su_tab title=”4つ目の雫” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]これからで〜す[/su_tab] [su_tab title=”5つ目の雫” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]やがて現れまする[/su_tab] [su_tab title=”6つ目の雫” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””]そのうちに・・・[/su_tab][/su_tabs]

 

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