怒りん坊さんの記憶

少し前のことですが、
久しぶりに都税事務所に出向きました。
あまりに綺麗になっていたので、通り過ぎてしまいそうになって・・・。

かつての面影を呼び起こす際、一緒になって記憶が蘇る。

都税事務所と税務署が並んで存在していたころ、会社の決算を終えて書類を提出しに行った時のこと。

「手分けしよう。僕は車で待ってるよ」と、彼は言った。

スンナリ聞き入れて2つの書類を持って車を降りてから、
ん?なんかオカシイやろ?と気づき、
それでも取り急ぎ提出する事を優先して動いた。

隣同士並んでいようと入口は別々だったから、
入って用を済ませて出て、
また隣の建物に入って出て・・・。

彼の言葉を咀嚼しながら、怒りが湧いてきた。

違うやろ!!
エアコン効いた車の中でじっと待つあなたと
汗を流して動くアタシ。

お〜のぉ〜れぇ〜!!それを手分けと言うのか貴方は!!

ま、これも記憶に残存している体験のカケラです。
出来事を体験したとき、沸き起こった感情エネルギーは、
五感をともなって記憶されます。

卒業から数十年経過した小学校の校庭に立ったとき、
当時の記憶が蘇るのと似ています。

同様に、「言葉」がトリガーとなって蘇る記憶もあります。

公共の乗り物に乗車中、無関係な人々の会話で
「だからダメなんだよ!」
というワンフレーズだけが耳に飛び込んで来る。
そのとき、
かつてその言葉を投げかけられた人のことを思い出し、
いや、真っ先に、嫌な感覚と閉塞感というフィーリングかもしれませんが、
記憶が感覚と共に蘇り、そのときの気分を再体験するのです。

私たちが人生で体験していることは、あらゆる角度からメモリーされており、
その人の選択や行動を制限します。

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